地震先進国 the research to improve earthquake prediction 2003 5 28

 今回、日本の東北地方で起きた地震は、マグニチュード7という大きなものであったが、
日本有数の地盤の安定した地域で起きたこと、
震源が深く、津波が発生しなかったこと、
大都市から比較的、離れていたこと、
こういう好条件が揃っていたので、
被害は少なかった。
万が一、津波が発生しても、今回の震源の位置からすると、
震源の位置と仙台平野の間には、低い山岳地帯があり、津波を防げる。
今後、起きるかもしれない震源も、三陸沖であってほしいと祈りたい。
 日本は地震が多い。
 これは、太平洋プレートが大陸プレートの下に沈み込む地域であり、、
その大陸プレートの先端では、プレート境界型地震が発生する。
 また、フィリピンプレートが大陸プレートに衝突している地域もあるが、
こちらは安定しているかもしれない。このプレートは先端の部分が地上に出ているので、
何らかの変化が起きても、観察しやすい。
これも日本地図を見れば、日本有数の山岳地帯の形が、その影響を表現している。
しかし、いつも悪いことばかり想像するが、時には、いいことだってある。
 このように、大きなプレートが別のプレートに沈み込んでいる地域は注意が必要であるが、
当然、大きなプレートが地表に出てくる地域もある。
この地域も十分な警戒が必要になることは言うまでもない。

 この前、古代の戦術書を本屋で読んでいたら、こんなことが書いてあった。
川をはさんで、大きな軍勢が対峙している時に、どう陣地を展開するかである。
常識的には、川の最前線まで陣地を張るが、河川というものは、大雨等により、
増水することがよくある。夜、いつの間にか増水することもある。
そのため、川から安全と考えられる地点まで後退して、
十分に後退したところに陣地を張るというのも合理的である。
 しかし、河川の氾濫を避けるために、あまりに川から後退しすぎると、
ある問題が発生する。
 それは、後退しすぎた、空白地帯、その場所に、敵に陣地を張られてしまう可能性がある。
これでは、急に戦いが不利になる。力のバランスが崩れる可能性がある。
そこで、何としても、この敵の陣地を川の向こうに押し戻そうと、必死になる。
しかし、当然、敵も背後は川なので、せっかく築いた陣地を守ろうと必死になる。
共に必死同士の戦いとなるので、場合によっては、壮絶な戦いとなる。
 このような陣地の築き方は、非常にリスクが多い。
しかし、このような陣地を築いてしまった以上、そう簡単には撤退できない。
しかも、この陣地を築いて年数が経つ。
そうなると、壮絶な戦いよりも、現状維持を図った方が現実的である。
古代の戦いも、結局、そうなった。